GARDEN CITY LIFE

緑丸と申します。日々、アンテナに引っかかったことを綴っていこうと思います。

〜2011上半期ニコマス20選を振り返る〜16

アイドルマスター】貴音とトロ

16 bya氏

Wボケと言われますが、そのズレ具合が、あったかい。
こんな日常会話が交わせたら、きっと毎日、楽しいだろうなあ。
14と同様に、掛け合いが絶妙です。

絵も美麗で、素晴らしいタッグだと思います。

前回の更新で、意図せず桂枝雀師匠に触れたのですが、
今回この記事を書くにあたり動画を再生し、コメントを見て、
その意を強くしました。
まさにこのやり取りは、現代落語と言っていいかもしれません。
(落語に造詣の深い方々、申し訳ございません)


選出時コメントにも書きましたが、
この動画の最大の魅力は、会話の妙。

一つ一つのセンテンスは、さほどおかしくは無く
むしろ、まともなのですが、
方向性のずれから、
思わぬ展開へと発展していく。
そのさじ加減が素晴らしい脚本。
これはまさに、落語の展開と似ています。

浮世離れした天然キャラクターである貴音と、
癒し系キャラクターであるトロ。

この組み合わせであるがゆえ、一見気づかないのですが、
ふと気づくと、思いも寄らぬ方向に進む物語。

まさに、古典落語の登場人物を彷彿とさせます。


ツッコミ不足、といわれるこの動画ですが、
実はツッコミはちゃんと居て、
それはこの動画に書かれたすべてのコメントです。

それはちょうど、舞台における演者と観客に似ています。

古い例えですが、欽ドン欽どこのような、
舞台で繰り広げられるトークに、
笑いやツッコミで応える観客。

そんな光景が、この動画から想起されました。

実はこの動画の魅力は、昔懐かしい
テレビ番組の公開録画そのものの手法と
同じ構造にある、と言えるのかもしれません。


そして、原キャラクターの魅力を全く損なわない
イラストもまた、素晴らしい。
決してディフォルメせず、
ありのままのキャラクターを再現しているからこそ、
この会話の可笑しさは増幅されるのです。

そう考えると、コタツに座る2人の配置。
これも、テレビや舞台によくある
「背中を観客に向けないレイアウト」と捉えると、
上手い、と思わざるを得ないのです。


一見ほのぼの、実はシュールなこの会話の巧みさで、
15分という長丁場を「持たせた」という点で、
いろいろ悩んだのですが、
20選に加えさせて頂きました。


さて。
ここで紅白的な紹介順の配置の話となります。
バラエティーに富んだ2作品。
そして旬とも言える、これから続く作品の
橋渡しとしてふさわしいのは、何か。
それは、意外な組み合わせでありながら、
ハイクオリティの結果をもたらした
良品であるべきです。

2010年の紅白でいえば、
坂本冬美の「また君に恋してる」のイメージ。
…といえば、怒られるでしょうか?


…というわけで「〜2011上半期ニコマス20選を振り返る〜17」に話は続くことになります。